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2008 10,23 21:39 |
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相互させて頂いている、【現実を拒絶した夢の中】様から、
15万HIT突破企画の朝ルルフリー小説を頂いておりました。 連作の2話目です。 UPが遅くなってしまって誠に申し訳ありません…! 2.貴方を知った日
注意: ※朝比奈さんショタコン気味は仕様です。 ※仔ルルは素直で可愛いです。 ※スザは悪ガキです。 ※藤堂さんは朝仔ルル+仔ナナのお父さん的立場になりつつあります; ※長編朝ルルはお読みになりましたか?読んでなくても読めると思いますが、読んでからだとよりわかりやすいと思いますよ??? 以上、大丈夫!!な方は↓へスクロール!!! ルルーシュ達と知り合って数日。朝比奈はあの土蔵に、藤堂が呆れるほど日参していた。 「るっるーしゅく~ん♪なっなりーちゃ~ん☆」 トントン、と戸を叩き、朝比奈は返事を待つ。カタリ、と音がして、朝比奈はあのアメジストが迎えてくれるのをドキドキと待つ。 「・・・・。」 「・・・・。」 迎えて出たのは、くるくるの茶色い髪、緑の瞳。今、朝比奈が一番会いたくない人物NO.1だった。 「・・・・・・くるくるすざく・・・。」 ボソ、と呟く。その瞬間、ギロっと睨まれる。 「お前、何なんだよ!!・・・最近、藤堂師匠が来る回数が増えたと思ったら、お前がルルーシュ達の周りをうろちょろしてるって知って・・・。」 どうやら、待ち伏せをしていたらしい発言に、朝比奈は眉を顰めた。 「・・・2人はどこ?・・・俺は、藤堂さんに頼まれて、2人の護衛をしてるんだよね。邪魔、しないでくれる?」 「邪魔ってなんだよ!!・・・俺は、ただ、ルルーシュ達と・・・。」 「・・・ねぇ、今の情勢わかってるの?・・・君がルルーシュ君達を構えば構うほど、君のお父さんがルルーシュ君達を危険視するんだってこと。」 「・・・は?何言ってんだよ、お前。」 首を傾げるスザクに、朝比奈は呆れて肩を落とす。 「・・・ま、言ってわかると思ってなかったけど・・・さ。」 「・・・何、勝手に黄昏てんだよ。お~い・・・。」 つんつん、とつつかれるのを完全無視する。 傍若無人な態度。子供らしいと言えばそうだが、ルルーシュ達の殊勝な態度を見た後では、以前よりももっと気に食わない、と思えてもしょうがない。 「スザク?・・・省吾さん!?」 「あ、ルルーシュく・・・。」 「ルルーシュ!!」 朝比奈の言葉に被せて、スザクの声がルルーシュの名を呼ぶ。ムッとする朝比奈の脇をすり抜けて、スザクがルルーシュの腕を掴む。 「どこ行ってたんだよ?ナナリーは?」 「・・・うん、熱出して、奥で寝てるんだ。・・・僕は、薬を買いに・・・。」 ガサ、と持っていた袋を示すと、ルルーシュは笑みをうかべる。どこか疲れたようなその雰囲気に、朝比奈は心配になる。 「・・・まさか、1人で買い物に行ったの?」 「そのまさか、ですけど・・・。」 「ホントかよ、ルルーシュ!・・・ちゃんとモノは売ってくれたか?」 心配そうなスザクの言葉に、朝比奈は、やはり、と眉を顰める。ブリタニアに対して心証が悪い今、いくら子供でも、ブリタニア人とわかれば、扱いは俄然悪くなる。 「・・・ちゃんと説明して、症状を言ったら、薬を選んでくれたよ。」 嘘だ、と朝比奈は気付くが、ルルーシュがそう言ったのなら、と口出しするのを止める。スザクや朝比奈を心配させたくないがための嘘なのだから。 「良かったね、ルルーシュ君。」 ニッコリと笑いながらも、袋に印刷された店の名前を記憶する。後で問い質すつもりで。 「・・・省吾さん・・・。」 困ったような顔でルルーシュが朝比奈を見上げる。どうやら互いに考えを読んでしまったらしいとわかると、朝比奈は苦笑し、ルルーシュの頭を撫でた。 「えらいね、ルルーシュ君は。」 その言葉に含まれた意味をルルーシュははっきりと理解したらしく、くしゃり、と表情を歪めた。 「ルルーシュっ!?」 慌てたのはスザクだ。突然、ルルーシュが泣きそうになったのだから、心配もするというものだ。 「おい、お前!!ルルーシュになんかしたのかっ!?」 「お前じゃないっての。俺には朝比奈省吾って名前があるんだから。・・・そ、れ、に、ルルーシュ君に何もするわけないだろ?」 「・・・そうだよ、スザク。省吾さんは何もしてない。ただ、手が・・・温かかったから・・・。」 ルルーシュの言葉に、渋々朝比奈に突っかかるのをやめたスザクは、土蔵の中を覗き込む。 「・・・大丈夫かな、ナナリー。」 「薬、飲ませるから。・・・ごめん、スザク。そういうわけだから、今日は遊べない。・・・省吾さんも・・・。」 「・・・わかったよ。・・・じゃあ、またな。」 そう言いつつも、朝比奈が帰るのを確認するまでは帰りそうもないスザクに、心の中で嘆息しつつ、朝比奈も暇を乞う。 「じゃあ、またね、ルルーシュ君。」 ひらり、と手を振って土蔵を後にした朝比奈に、スザクが駆け寄ってくる。 「・・・あいつ、ウソついてる。・・・絶対、薬屋に何か言われたんだ!」 ぼそ、と告げるスザクに、朝比奈は目を細める。 「・・・ふぅ~ん。わかってて黙ってたんだ。」 「だって、あいつにいくら問い質したって、意味はないじゃんか。・・・あんただって気づいたんだろ。」 じろ、と見上げてくる緑の瞳に、朝比奈はにやりと笑う。 「ま、バカだけど、ルルーシュ君と友達だけはあるってことか。」 「は?・・・バカってなんだよ!」 「バカはバカだよ。・・・自分の立場をわきまえないバカ。でも、ルルーシュ君のことをわかってるってとこは認めてあげても良いかな。・・・ただし、薬屋に乗り込んで報復するとか、そんなことはやめるんだね。彼が悲しむだけだし、次に彼が行った時に、もっと酷いことを言われかねない。」 朝比奈に睨まれ、スザクはビクリ、と身体を震わせ、殊勝にもコクリと頷いた。 「・・・わかったよ。」 その夜。朝比奈はこっそり土蔵を訪ねて行った。軽く戸を叩き、声をかける。 「・・・ルルーシュ君?」 「省吾さん!?」 驚いたような声が聞こえ、土蔵の戸が開く。 「ナナリーちゃんの熱は?」 「・・・薬が効いてきたのか、だいぶ下がりましたよ。」 土蔵の中に迎え入れられて、朝比奈は周りを見回す。朝比奈が日参して土蔵の中の邪魔なものを少しずつ運び出していた効果もあって、中は以前よりほんの少しスペースができて、ゆとりがある。 「こんなトコに住んでるんだもん。具合も悪くなるよね。」 ブツブツと言いながら、朝比奈は持ってきた袋を差し出す。 「はい、お土産。」 「・・・え、あ、ありがとうございます。」 ルルーシュはお礼を言ってその袋を受け取る。そして、中身を確認して、パアァッと表情を輝かせる。 「・・・プリン・・・。」 その表情は、今まで見たどの表情よりも子供らしい表情だった。どうやら、間違いなく好物を選んだらしい自分を褒め称えながら、朝比奈はクツクツと笑った。 「好きなの?プリン。」 「はいっ・・・あの、本当にありがとうございます!」 ニコニコ顔のルルーシュに、朝比奈も嬉しくなる。 「ナナリーちゃんもさ、こういうのなら、食べられるかなって思って。・・・熱が出ると、あんまり固形物はのど通らないじゃない?」 「こんなに、気を使ってもらって・・・本当にありがとうございます。あ、そうだ、省吾さん、ご飯食べました?」 「?・・・まだだけど・・・。」 「じゃあ、僕が作ったので良ければ、一緒に食べませんか?・・・あ、味は保証します!!」 「じゃあ、ごちそうになろうかなッ♪・・・わ~。楽しみv」 いそいそと台所に駆け込むルルーシュを見つめ、朝比奈は一瞬不埒な想像をする。 「・・・新婚夫婦みたい。・・・・って、うは~。俺ってもう、末期?」 出会った日から、ルルーシュのことを気に入っていたのは間違いない。だが、ふとした瞬間に、ルルーシュの笑顔を思い浮かべたり、ルルーシュのことを考えたりする時間が増えている。 朝比奈ももう20だ。それなりに恋愛だってしてきている。だが、こんなにも、のめり込む様に相手のことを考えたことなど無かった。 「・・・やばいかな~・・・マジで本気になりそ。」 相手はブリタニアの皇族だ。偏見ではない。これから、一悶着ありそうな国の皇子様と、軍籍の朝比奈が恋愛なぞ出来るわけがない。しかも、男同士。 「ロミジュリかッ!てーのっ・・・あ、フツー男同士ってのが先だったか。ははは・・・。」 朝比奈がブツブツと呟いていると、ルルーシュが台所から食事を運んでくる。 「あ、ごめん。手伝いもしないで・・・。」 「良いんですよ。座ってて下さい。僕がホストですから。」 ニコ、と笑顔を向けられ、朝比奈は浮かせかけた腰を再び降ろす。 コトリ、と置かれた器からは良い匂いが漂ってくる。 「・・・おぉ~、これって、味噌汁じゃない?」 「はい。こちらに来たばかりの頃に、首相のお宅で頂いたものを再現したんです。・・・藤堂さんからお味噌を頂いて・・・。」 「・・・あぁ、ナルホド~。さっすが藤堂さん。」 「他にもいろいろと・・・あの、やっぱり、お店ではあんまりいい顔はされないので。」 「うん、だろうねぇ。」 朝比奈は苦笑する。正直に白状してくれているのは良いのだが、それはつまり、朝比奈に対する牽制なのだとわかったからだ。 「・・・あの、省吾さん・・・だから・・・。」 「大丈夫。・・・薬屋に何かしよう、とか思ってないから。ルルーシュ君が正直に話してくれたからね。」 「・・・すみません。」 しゅんとしたルルーシュの頭を撫でて、朝比奈は微笑む。 「謝らなきゃならないのはこっちの方だよ。悪いのはルルーシュ君じゃないのに、どうしても割り切れないっていう人もいるんだ。・・・実際、ルルーシュ君は本当によく頑張ってるし、我慢してるよ。」 「わかってはいるんです。・・・このままの情勢では、日本とブリタニアは開戦する可能性がある。どうしたって、ブリタニアへの国民感情は良くない。」 「ルルーシュ君・・・。」 こんな子供のうちから、国家間の情勢を把握していることに舌を巻き、そういった環境で育たざるを得なかったルルーシュ達を不憫に思う。 「・・・ね、ルルーシュ君。いろいろ聞かせてよ。ブリタニアのこと、君のこと、皇室のこと。何でも良いから、たくさん話そう?・・・あッ、別に利用しようとか考えてるんじゃないからね!!」 「・・・ふふ、わかってます。利用しようとしている人は、そんな優しい目はしてません。」 はっきりと言うルルーシュに、朝比奈は苦笑する。すでにルルーシュは首相や桐原達から様々な尋問を受けている筈だったのだ。それを朝比奈は失念していた。 「それに・・・。」 「それに?」 「・・・利用されても良いんです。僕は・・・祖国に捨てられたんですから。」 瞼を伏せ、呟く声は、あらゆる感情がきれいさっぱり拭われた平坦な声。それを聞いた瞬間、朝比奈の肌が粟立つ。 「・・・っ・・・。」 瞬時に理解してしまった。この子は、こんな幼くして、祖国を憎んでいる。それを隠そうとして逆に感情の無い言葉となって憎しみを表してしまっているのだ。 朝比奈はルルーシュを抱き寄せる。 「・・・省吾さん?」 「辛いね。悲しいね。・・・悔しいね・・・。」 朝比奈の言葉に、ルルーシュは表情を歪め、そして、その胸に顔を押し当てる。 「・・・・・・憎い、です。」 絞り出すような声に、朝比奈は抱きしめる腕に力を込める。 「1人で抱え込まないで・・・俺がいるよ。俺が全部受け止めるから。・・・半分ずっこにすれば、ちょっとは楽になる。・・・ねっ?」 腕の中で頷く気配がして、朝比奈はホッと息をつく。同年代の子供より華奢な身体。この身の内に宿る様々な感情は、この子の心に大きな負担をかけているに違いない。 守らなければ。そんな、使命めいたものを感じながら、朝比奈はずっとルルーシュを抱きしめていた。 PR |
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